時には「悪魔の代弁者」にもなる
「経営のアイデアを会社に提案することもある」
「そうなんすか?」
「クライアントの連中は、経営者をはじめ自分のビジネスの専門家集団や。専門家は、専門に詳しくなればなるほど、自分たちがやっていることの前提を疑わなくなる。だから逆に、いいアイデアが出なくなってしまう。それが人間やろ」
誰でも見慣れてしまうと状況が見えなくなってしまうので、新しい視点から見直すために他人の力を借りることを、英語では「〈フレッシュアイズ〉で見る」と言う。
「新鮮な目で見る」という意味なのでわかりやすい。
これと同じく、〈デビルズ・アドボケイト〉という表現もある。
直訳すれば、「悪魔の代弁者」という意味で、会議などでの同調圧力に負けず「あえて反論する立場」を取ることを指す。
経営者は、成功すれば成功するほどイエス・マンに囲まれる傾向にあるので、本当に成功する経営者は〈デビルズ・アドボケイト〉として「本当か?間違っていないか?」と反論してくれる経営コンサルタントを雇うことも多い。
〈フレッシュアイズ〉も〈デビルズ・アドボケイト〉も、経営コンサルタントの重要な仕事だそうだ。
【フレッシュアイズ】
英語で「新鮮な視点で見る」という意味の表現。見慣れすぎると誰しも改善すべき点などに気づきにくいので、見慣れていない人を活用する時に使う。Can you take a look at this with your fresh eyes?(ちょっと君の新鮮な目でこれを見てくれないか?)というように使う。
【デビルズ・アドボケイド】
議論を盛り上げ、活発にするために、あえて相手に反論する討論の手法。相手を非難するために反論するのではなく、あくまでも、真の解を導き出すことを目的に、否定的な側面から議論を深めていくもの。