これに対し、高めの固定料金を設定する食べ放題の店では、客が2人分の料金を支払って3人分食べたとすると、料金が3000円で変動費は1500円であるから、客が1人来るごとに赤字が1500円ずつ減っていく。客にとっては2人分の料金で3人分食べられて大満足、店にとっても客が来るたびに赤字が大きく減っていくので、これまた大満足だ。客が3人分食べたとしても、店の費用は材料費分だけしか増えないからである。

 客が満足し、来店客数が増えることも、店にとっては嬉しいことだ。普通のレストランよりも来店客数が多ければ、1人当たりの赤字の減り方の大きさとの掛け算で赤字が急速に減っていき、簡単に損益分岐点を超えて黒字になるからである。

 余談ではあるが、食べ放題よりもさらに儲かるのが飲み放題である。

 売値に占める材料費の比率が低いため、3杯分の料金で5杯飲む客が来店すると大きな儲けが期待できるからだ。客が“お得感”にひかれて来店すれば、なおさらいい。コンパの幹事が、大酒飲みの会費を多めに徴収するか否か悩まずにも済むため、大人数の団体客が来るようになるというメリットも見込まれる。

ビュッフェ方式は規模の利益で
効率がよく儲かりやすい

 ビュッフェ方式というのは、店の中の大きな皿に料理が山盛りになっていて、客が自分で好きなものを好きなだけ取って食べる方式のこと。グラム単価の高そうな料理(例えばチャーハンではなくローストビーフ)ばかり食べる客がいたりして、いかにも儲かりそうにないイメージがあるが、実は儲かる仕組みが満載なのである。

 誰でも思いつくのが、料理を盛り付けて客席まで運ぶ店員が必要ないことだろうが、メリットはそれにとどまらない。

 普通のレストランでは、客の注文を受けて料理を作るため1皿ずつ作ることになるが、ビュッフェ店では大皿に山盛りの料理を一度に作ることができる。20人分の料理を作っても、手間が20倍かかるという訳ではないので効率的だ。いわゆる「規模の利益」である。

 これは、大企業が中小企業より儲かる理由の一つでもあるのだが、ビュッフェ店の場合は大企業でなくても規模の利益を享受できるのである。