「ブラック部活動がブラック企業戦士を生む」教育学者が指摘内田良・名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授 Photo by Rio Hamada/Huffpost Japan
本記事はハフポスト日本版からの転載記事です

 毎日残業。土日や夏・冬休み返上は当たり前。その上残業代はほとんど出ない。なんて『ブラック』な環境なのか──。

 それが学校、中でも部活動の場で日常的に起きている光景だ。

 日々練習や試合に明け暮れる生徒と、それを指導する教員。「活動時間が長い」「休みがない」。そんな悲鳴さえ聞こえてくるが、あまりに習慣化し過ぎて、"長時間活動"はなかなか改善しない。

 自主的なはずなのに、生徒や教員を縛り付けている部活動。その実態を著書『ブラック部活動』につづった名古屋大院准教授の内田良氏は、「ブラックな部活動が企業戦士を生む」「部活動をやってこそ一人前という文化がある」と指摘する。

 部活動の現場で今何が起きているのか、内田氏に話を聞いた。

「部活動が内申に響く」
は都市伝説?

──著書の中で「自主的だから過熱する」と指摘されていますが、今までそのような指摘はなかったように思います。

 そうなんですよね。部活動の根本が自主的なものです。だから「自主的なのになぜ強制するのか」という問いが立ちやすい。

 今の教員や会社員の働き方改革では、やりがい搾取という議論がありますよね。「好きでやってるからいいでしょう」と言うけれど、実際は搾取されている。好きだからよいという考えに疑問を投げかけるのが大切だと思います。