米トップ5に入る企業を育てた
シリコンバレーの「エコシステム」

 現在、世界のトップ5社の時価総額を合計すると3.3兆米ドル(約372兆円)にも上る。この中のアップル、グーグル(アルファベット)、フェイスブックの3社は、いずれもシリコンバレーの会社だ。こうした企業を育てたのが、後述する「エコシステム」だと言われており、日本には十分にないものだ。

 そもそも、スタートアップ企業(ベンチャー企業)が成長するためには、投資家から資金を集めて優秀な人材を獲得し、製品やサービスに磨きをかけていく必要がある。もちろん、金融機関から融資を受ける手もあるが、時間のかかる審査を待っていては商機を失ってしまう。そこで投資家の出資を受ける場合が多い。

 そうしたスタートアップに資金を提供しているプレーヤーの一つが「ベンチャーキャピタル」(VC)だ。VCは、9割の投資が失敗したとしても、1割で大成功すればよいと考えており、金融機関では取ることができないリスクを負って出資してくれる。

 また、「エンジェル投資家」も、スタートアップを足元で支えている。その多くが自ら企業経営者として成功を収め、財を成した人物たちだ。創業間もない企業にも寛容で、出資だけでなく、人材の紹介やアドバイスなども行う。

 シリコンバレーには、こうした投資家たちがそこら中にいる。例えば大学で先端技術の研究に打ち込んでいる若者に、エンジェル投資家がポンとカネを提供し、新しい技術が花開くといったケースは枚挙に暇がない。