敗者に気を遣い
敗軍の将にも手を差し伸べる

 敗者への気遣いもしっかりしている。大会スポンサーとして贔屓チームは作らないと公言している飯島が、例外として気にかけているチームの一つが川崎フロンターレだ。

 川崎は、11月4日に開催された2017年のYBCルヴァンカップ決勝をセレッソ大阪(C大阪)と戦い、0−2で敗れた。これにより、クラブ通算4回目のルヴァンカップ「準優勝」となったのだが、決勝トーナメント前の取材で飯島は「フロンターレがずっと無冠でき来ていますけど」と発言、珍しく個別チーム名として川崎の名を挙げ、気にかけている様子を見せた。

 その理由の一つに、中村憲剛との個人的な関係がある。「川崎F・中村憲剛選手とYBC・飯島茂彰社長、ルヴァン杯が結ぶ『接点』」でも紹介したように、中村の父親と飯島に個人的な親交があり、中村がプロ入りした際にも挨拶を交わす仲だったということ。また、川崎は2009年の準優勝の表彰式で礼を失する態度を取り大きな批判を受けてしまったのだが、その一件を飯島は水に流し、だからこそ優勝してほしいという“エール”につなげていた。

 この一件を見るまでもなく、準優勝チームの表彰はそもそも難しいものがある。選手たちは、直前までタイトルをかけ、死力を尽くして戦っている。その結果として、敗れてしまった選手たちの落胆は、想像を絶するものがあるからだ。だから、不機嫌だったり、紳士的ではない態度を取ったりしても無理はない側面もある。

 ただ、逆にスポンサーにとってみれば、そうした態度により大会を汚されたと怒りを感じてもおかしくはない。しかし飯島は、そんな選手たちを気遣い、表彰式の振る舞いにすら理解を示していたのだ。

 そんな飯島が、「敗者の振る舞い」として嬉しかったことがあるという。2006年から2011年までサンフレッチェ広島の監督として、また2012年から2017年の途中まで浦和レッズの監督を務めていたミハイロ・ペトロヴィッチ氏についてだ。