しかも、サラリーマンの場合、寄付する自治体が五つまでであれば、確定申告をしなくていいことになっています。ただ、寄付には収入や家庭状況によって上限額が定められています。それを越えると、自己負担額が3000円、4000円と増えてしまうので、金額には注意が必要です。

家計は火の車でも
お得感に引かれて…

 さて、そんな「ふるさと納税」をできなくなってしまったというUさん一家の家計を見せてもらったところ、そもそも家計の収支バランスが悪く、毎月赤字になりがちなギリギリの状況でした。

 つまり、日々の生活はいっぱいいっぱいで、“先払い”のための資金を捻出するのもギリギリだったにもかかわらず、「お得感」に引かれて毎年、寄付していたのです。しかも今年は出費がかさみ、その支払いや生活費への補填などでボーナスは消えてしまったというわけです。

 そもそも、節税できる制度、お得な制度だとは言っても、やはり家計状況がしっかりとしていなければ手を出すべきではありません。逆に言えば、魅力的な制度を使おうと思ったときに、それに当てる資金がないということに気がついたら、それは家計が危機的な状況にあるのかもしれないという“赤信号”。家計の改善を先に進めましょう。

 Uさんの奥さんは、「今年はおいしいお米やお肉が届かないのね」と残念がっていたそうです。しかし、危機的な家計状況を打ち明けると、「じゃあ、来年から、ふるさと納税を再開できるよう支出を見直し、家計を改善させよう」と協力的な姿勢を示してくれたと言います。Uさん自身も「頑張ります」と言い残して、事務所から帰っていきました。

(家計再生コンサルタント 横山光昭)