忘れられない伊神照男氏の言葉
『1坪の奇跡』の著者、世界一のビジネス、吉祥寺「小ざさ」の稲垣篤子氏から、幾度となく、稲垣氏の実父で、吉祥寺「小ざさ」の創業者である伊神照男氏についての話を聞いた。
なぜなら、僕は『1坪の奇跡』にあった、ある一文を信じて、まったくお金も実績もない中で、天狼院書店を開業したからだ。
『1坪の奇跡』には、伊神氏の言葉としてこうあった。
「事業でもなんでも、事を始めるときに大方の人は、『資金や設備がないからできない』と言う。潤沢に揃えてからする事業なら、誰でもできる。なければ頭を使えばいい」
これを読んだ当時、正真正銘、何もなかった僕は、「なければ頭を使えばいい」という一文に触れたとき、唐突に涙を流しそうになった。
そうだ、頭を使えばいいのだ、と未来が拓ける想いがした。
この一文を胸に開業した天狼院書店は、オープンから4年経った現在、全国で4書店と1スタジオを持つに至り、今も少なくとも6つの書店をオープンさせようと準備をしている。
もし、伊神照男氏の言葉がなければ、おそらく、天狼院書店は現在のように拡大していなかっただろう。
『殺し屋のマーケティング』の主人公・女子大生起業家の桐生七海が、そして、天狼院書店の店主である僕が、知られざる天才起業家伊神照男氏から学んだこととは、いったい、何だったのだろう。