世界一売ることが難しい商品が「殺し」を売ることができれば、世界一のマーケティング・マネージャーになることができるのではないか――そう考えた天狼院書店店主の三浦崇典氏による緊急寄稿!
第3刷が決定した、本格マーケティング小説『殺し屋のマーケティング』(ポプラ社)において、「受注数世界一の殺しの会社」を創ろうとしている主人公の女子大生起業家七海は、師匠の西城から、世界最強のマーケティング技巧「7つのマーケティング・クリエーション」について学ぶことになる。
なんと、この小説の中に、1969年から「幻の羊羹」行列が40年以上とぎれない吉祥寺「小ざさ」が登場するという。著者の三浦氏は、吉祥寺「小ざさ」社長・稲垣篤子氏の処女作『1坪の奇跡』がきっかけで天狼院書店を開業した。
今回、その三浦氏に、吉祥寺「小ざさ」を「7つのマーケティング・クリエーション」で読み解いてもらおう。
起業」とは「0から1」を
生み出す異常な行為
1977年宮城県生まれ。株式会社東京プライズエージェンシー代表取締役。天狼院書店店主。雑誌「READING LIFE」編集長。プロカメラマン。小説家。劇団天狼院主宰。映画『世界で一番美しい死体~天狼院殺人事件~』監督。ライター・編集者。著者エージェント。2016年4月より大正大学表現学部非常勤講師。2017年11月、『殺し屋のマーケティング』(ポプラ社)を出版予定。
NHK「おはよう日本」、日本テレビ「モーニングバード」、BS11「ウィークリーニュースONZE」、ラジオ文化放送「くにまるジャパン」、J-WAVE、NHKラジオ、日経新聞、日経MJ、朝日新聞、読売新聞、東京新聞、雑誌『BRUTUS』、雑誌『週刊文春』、雑誌『AERA』、雑誌『日経デザイン』、雑誌『致知』、雑誌『商業界』など掲載多数。2016年6月には雑誌『AERA』の「現代の肖像」に登場。
『殺し屋のマーケティング』(ポプラ社)は、女子大生起業家桐生七海が「受注数世界一の殺しの会社」を創るために奮闘するミステリー小説です。「営業」、「広告」、「PR」が使えない、世界一売りづらい「殺し」をどう売るか――最強のマーケティング・マネージャー西城潤に、究極のマーケティング・クラフト「7つのマーケティング・クリエーション」を伝授されていくうちに、七海は「受注数世界一の殺しの会社」を創るためのヒントにたどり着く。それこそが、1坪2品で年商が3億円を超え、40年間以上行列が途絶えたことのない吉祥寺「小ざさ」だった。
七海が吉祥寺「小ざさ」から学んだのは、なにも、マーケティングばかりではなかった。
そもそも、「起業」という尋常ならざる決意と行為がなければ、マーケティングの宇宙は開闢しない。
「起業」とは、まさに「0から1」を生み出す異常な行為であり、シリコンバレーで言われるところの「崖から飛び降りながら飛行機を組み立てる」ような行為であり、七海に限らず、一度ならず、二度も三度も苦境に立たせられるのが、起業である。
かく言う僕も、起業して9年目になり、多くの月末を乗り越えてきたが、ようやく、「ああ、もう潰れないな。世の中が潰させてくれないな」と思ったのが、今年、100回目の月末を越えたときだった。