「子どもに英語をマスターしてほしい!」――そんな願いを持っている親御さんは少なくないだろう。しかし、そんな人でも「英語がペラペラになればそれでいい」などとは思っていないはず……。むしろ、本当にわが子に身につけてほしいのは、世界のどこでも生きていける頭のよさ、つまり「本物の知性」なのではないだろうか。
実際、応用言語学や脳科学、教育心理学などのアカデミックな研究では「外国語学習の機会が、子どもの知力やIQを高める」といった知見が蓄積されつつあるという。
いま、こうした科学的根拠(エビデンス)に基づいた指導によって、子どもたちの英語力を着実に伸ばし、人気を集めている英語塾があるのをご存知だろうか。元イェール大学助教授の斉藤淳氏が代表をつとめるJ PREPだ。
本連載では、同氏の最新刊『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語――わが子の語学力のために親ができること全て!』から、一部抜粋して「ほんとうに頭がいい子」を育てるための英語学習メソッドを紹介する。
対象になるのは何年生まれの子から?
前回は、子どもの英語教育をめぐる変化として「小学校英語」を取り上げました。もう一つの大きな変化が、大学入試改革です。2020年度から、多くの大学を受験する際に必要な「大学入試センター試験」が廃止され、大学入学共通テストに変わることはご存知でしょうか。
逆算すると、2002年4月2日以降に生まれた子たちは、大学受験の際に「共通テスト」を使う可能性があります。2018年度の新・高校1年生が、新制度の一期生です。
「共通テスト」で最も変わるとされるのが「英語」です。センター試験では、「読む」「聞く」の2技能だけが評価の対象になっていましたが、新しい大学入試では「話す」「書く」の力も評価する4技能型試験に移行することになっています。とくに国立大学では、4技能型テストの受験が必須になる見込みです。
そこで注目すべきは、4技能を総合的に見るため、民間の検定試験を活用できるようになる可能性です。大学入試センターが認定したものに限り、民間事業者による資格・検定試験の結果が受験者のスコアとして使えるようになると言われています。
ただし文科省は、2020年度から2023年度までの4年間を移行期間としていますし、事態はまだ流動的ではあります。その意味で、本格的に「待ったなし」と言えそうなのは、「共通テスト・英語」の制度が完全にかたまる2024年度以降の受験生、つまり、2006年4月2日生まれの子(2018年4月時点で新・小学6年生の子)ということになるでしょうか。
どのような試験が認定対象になるかはまだわからないにせよ、2002年4月以降に生まれた子たちを持つ親は、「文法パズルが解けるだけでは入試の得点にならなくなる」「最初から実践的な英語力を磨いておいたほうが、あとあと有利になる」と考えておいて損はないでしょう。