「子どもに英語をマスターしてほしい!」――そんな願いを持っている親御さんは少なくないだろう。しかし、そんな人でも「英語がペラペラになればそれでいい」などとは思っていないはず……。むしろ、本当にわが子に身につけてほしいのは、世界のどこでも生きていける頭のよさ、つまり「本物の知性」なのではないだろうか。
実際、応用言語学や脳科学、教育心理学などのアカデミックな研究では「外国語学習の機会が、子どもの知力やIQを高める」といった知見が蓄積されつつあるという。
いま、こうした科学的根拠(エビデンス)に基づいた指導によって、子どもたちの英語力を着実に伸ばし、人気を集めている英語塾があるのをご存知だろうか。元イェール大学助教授の斉藤淳氏が代表をつとめるJ PREPだ。
本連載では、同氏の最新刊『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語――わが子の語学力のために親ができること全て!』から、一部抜粋して「ほんとうに頭がいい子」を育てるための英語学習メソッドを紹介する。
「都会のほうが英語は有利」はホント?
前回までは臨界期という「時間的な限界」の話に触れてきたので、今回は「空間的な制約」についても補足しておきたいと思います。子どもが育つ地理的条件の話です。
現在、J PREPには酒田校(山形県酒田市)があり、そこにも多くの生徒が通っています。しかし、生徒数の大半を占めているのは、東京の自由が丘校や渋谷校に通う都会の子たちですから、地方在住の読者さんは、ひょっとしたらこう感じたかもしれません。
「これってどうせ、地理的に恵まれている『都会っ子たちの勉強法』なんでしょ?」
僕が育ったのも、中学受験どころか私立中学すらないバリバリの田舎でしたから、英語学習の環境という点では、あまり恵まれていたとは言えません。ですので、こう考えたくなるお気持ちはよくわかります。
しかし、いまでは英語学習の地理的格差はほぼないと言っていいと思います。
何よりまず、インターネットやITデバイスの普及により、学習環境が圧倒的に改善しています。都市部でしか得られない情報というものはほぼなくなりましたし、オンラインのチャットサービスなら、どんな僻地からでも対面型の指導を受けられます。
教材についても、ネット書店を使えば簡単に入手できます。ペーパーバック一冊を買うために、電車を乗り継いで1日がかりで出かけていた僕たちの時代とは大違いです。