「言語をマスターする」とは?

言語の習得とは、「ここからは習得/ここまでは未習得」とはっきり線引きできるようなものではありません
そう考えてみると、みなさんのバイリンガル像も、とてもぼんやりとしたイメージに留まっているのではないでしょうか?

たしかに無理やり環境を整えれば、バイリンガル“的な”能力を持った子を育てることは可能です。しかし、お子さん本人にも家族にもかなりの負担がかかりますし、その苦労が得られる利得に見合ったものかどうか、事前には何とも言えません。

バイリンガルやマルチリンガルは、意図的に目指すようなものではなく、さまざまな偶然が重なって“たまたまそうなるもの”でしかない――これが僕個人の考えです。
それよりも、複数の言語運用能力と同時に、コアになる知力を一定レベルにまで磨くことのほうが、子どもの将来にとってははるかに大切だと思います。