今回の景気拡大がこれほど長く続く理由は、企業収益の強さに秘密がある。
売り上げが多少が減少する期間があったとしても、年度が終わってみると経常利益は前年比増益で着地するのは、企業の「収益管理」が強化されたことが背景にある。半面、企業は増益であっても、派手に経費を使ったり、設備投資や雇用を大きく増やしたりすることはない。このことが景気拡大の勢いを弱くしていて、「長く続くけれども景気実感に乏しい」と揶揄される状態を作っている。
企業の経営がリーマンショック以降、損益分岐点を下げることを重視した経営に変わってきているからだ。
企業の収益体質が変化
固定費抑制の反応が機敏に
こうした経営は2018年も続くだろう。そして、2018年中のどこかで生産などの調整局面に入ることになれば、経費削減や賃金抑制といった「負の側面」が表れてくると予想される。