権力闘争の激しい企業には
「プチ茂永氏」が大勢いる

 では、このような権力闘争の「敗者」が「怨霊」にならないためにはどうすればいいか。哲学者の梅原猛氏は、敗者を排除するのではなく、「何らかの意味で鎮魂し、それによってかつての敗者の部下であった人たちが安んじて新しい権力に仕える道を用意すること」(日本経済新聞1991年8月31日)と述べている。

 これはまったく同感だ。よく企業から「どういうわけかメディアに、うちの社長の悪い話ばかりが出る。しかも、メディアが知らないような内部事情ばかりだ」と相談を受けるが、たいがいその社長にかつて冷遇されたとか、政敵だったとかいうグループがリーク元であることが多い。

 つまり、このグループは組織内でしっかりと「鎮魂」をされていないので、新しい権力に災いをなす「怨霊」となってしまうのだ。

 マスコミ業界にいると、社内の権力争いが激しい大企業に勤めている方から、内部事情を話したいとの申し出がよく来る。実際に会って話を聞いてみると、「あいつだけは許せねえ」「会社を辞めることになってもいい。刺し違えてでも、あいつは引きずり下ろす」などと、「政敵」への怒りをぶちまける方も多い。

 レベルは違えど、「プチ茂永氏」のような方は、世の中に山ほどいるのだ。

 みなさんがいま働いている会社の同僚の中にも、「怨霊」になりかけている人がいるかもしれない。