「appleはリンゴ」と教えると、何がマズいのか?

気をつけてほしいことの2つめが、説明のために日本語をいちいち口に出さないということです。
「『おはよう』はグッドモーニング、『こんにちは』はハローだよ」という教え方は、まさに和文英訳に縛られた学校英語スタイルそのものです。もちろん、「dogはイヌ、catはネコだよ」という説明で十分なケースもありますが、原則としては「英語を英語のまま理解させる」ことを意識しましょう。

その結果、「ママ、『キリン』と『giraffe』って一緒かなあ?」と子どもが“自分で気づく”のが理想です。この発見プロセスによって、子どもの地頭はどんどんよくなっていくからです。

そして最後が、「音と映像」。勉強イメージがある親御さんほど、子どもと英語をはじめようとなると、文字の書かれた本やテキストを買い込みがち。
第二言語習得においては「文字からではなく音から」「部品(文法・単語)からではなく、状況(映像・絵)から」が原則です。

(本原稿は斉藤淳・著『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』から抜粋して掲載しています)

※注
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「世界最高の子ども英語」専用サポートページ
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【著者紹介】斉藤 淳(さいとう・じゅん)
J PREP斉藤塾代表/元イェール大学助教授/元衆議院議員。
1969年、山形県生まれ。イェール大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。研究者としての専門分野は比較政治経済学。ウェズリアン大学客員助教授、フランクリン・マーシャル大学助教授、イェール大学助教授、高麗大学客員教授を歴任。
2012年に帰国し、中高生向け英語塾を起業。「第二言語習得理論(SLA)」の知見を最大限に活かした効率的カリキュラムが口コミで広がり、わずか数年で生徒数はのべ3,000人を突破。海外名門大合格者も多数出ているほか、幼稚園や学童保育も運営し、入塾希望者が後を絶たない。
主な著書に、『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』(ダイヤモンド社)のほか、10万部超のベストセラーとなった『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』(KADOKAWA)、『10歳から身につく 問い、考え、表現する力』(NHK出版新書)、また、研究者としては、第54回日経・経済図書文化賞ほかを受賞した『自民党長期政権の政治経済学』(勁草書房)がある。