1,2時間に及ぶ試験やプレゼンのほか、集中力を要求されるシーンは、仕事や勉強においてよく見られます。長時間に及ぶ作業において、集中力を持続させる方法があります。著者は3日も続く記憶競技で高い集中力を発揮し、4回連続記憶力日本一、日本人初の記憶力のグランドマスターになりました。
本連載では、脳の仕組みを活用した世界水準の集中術が網羅されている新刊『世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる超集中術』から集中術のエッセンスを紹介していきます。
なぜ、集中力を長時間、持続することができるのか?
みなさんはご自分の集中力に自信がありますか?
どのくらい続けて、集中をキープできるでしょうか?5分?10分?それとも1時間以上でしょうか?
自信のある方でも、「3時間、集中力をキープしなさい」といわれたら、どうでしょう。
世の中には、記憶力を競う大会が存在します。記憶競技と言いますが、簡単に説明すると、よく切ったトランプの順番、人の顔と名前、ランダムに並んだ数字、無作為に選ばれた単語などを制限時間内にできる限り、たくさん記憶するというものです。
そして、世界最高峰の大会が、年に1度行われる「世界記憶力選手権」です。世界中から記憶力に自信のある選手たちが集まり、3日間にわたって10種目の競技を行います。種目により制限時間は変わりますが、1番長いものになると記憶時間1時間、回答時間2時間の合計3時間にも及びます。
私も2度ほど世界記憶力選手権に参加していますが、トランプで10組以上、数字であれば1000以上の順番の記憶に成功することができました。
この結果を出すためには、記憶時間と回答時間の合計3時間を要します。ランクが下の選手たちは、回答時間が終了する前に退席していきますが、上位の選手たちは最後まで席を立ちません。
競技が終了すると、さすがにふらふらになります。量ったことはないですが、体重も結構減っているのではないでしょうか。
私はもともと集中力が備わっていたわけではありません。すぐに他のことに気を取られる飽きっぽい性格でした。
40代でこの記憶競技に出合ってから、集中力を身につけたのです。
どんな分野においても、成功するためには必ず集中力が必要です。ビジネス、スポーツ、芸術、アカデミックな分野で名を馳せている人たちは、必ずと言っていいほど、人並み外れた集中力を持っています。
逆に考えると、集中力を手に入れることができれば、今いる場所から1段も2段もレベルアップすることが可能になるのです。
そして、私自身も『世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる超集中術』で紹介するトレーニングによって、記憶力、さらにそれの基になる3時間でもキープできる集中力を手に入れることができたのです。