集中力を1時間や2時間、さらにはそれ以上持続させることは可能です。新刊『世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる超集中術』では、脳の仕組みを活用し、4回連続記憶力日本一、日本人初の記憶力のグランドマスターになった著者による世界水準の集中術が網羅されています。本連載では、勉強や仕事、パフォーマンスを強く要求されるすべての事象に役立つノウハウを紹介していきます。

集中力こそ、無数に存在するあらゆる能力の上に立つ究極の能力

 結果を出している人とそうでない人との違いはどこにあるのでしょうか?

 個々の能力の差は関係ありません。むしろ、個人の能力以上に必要不可欠な力が働いています。

 誰でも簡単に得られる能力であり、個人の能力を凌駕するものです。

 私は、記憶力日本選手権大会のチャンピオンであり、日本人で初めてとなる「世界記憶力グランドマスター」の称号を獲得しました。

 特別、記憶力に長けていたわけではありません。何かを覚える能力に関しては、皆さんとほとんど変わりがないと、本心から思っています。

 ある能力に注目して、その能力を伸ばすことに成功したのです。

 その能力こそ、「集中力」です。

 集中力こそ、無数に存在するあらゆる能力の上に立つ究極の能力です。

 今、皆さんはいろいろな立場にいると思います。要求される能力もさまざまでしょう。

 勉強しなければならない立場の人なら「学習能力」、スポーツ選手であれば「運動能力」、またビジネスであれば「プレゼン力」や「企画力」などが重要になってくるはずです。さらに、クリエイティブな仕事をしている人は、「想像力」や「発想力」は外せないでしょう。

 それぞれの分野や立場によって、必要な能力は数多く存在しますが、これらの能力も集中力が低い状態では、高いレベルのパフォーマンスを発揮することは非常に困難です。

 かくいう私も最初からこのことに気づいていたわけではありません。

 記憶競技で使う記憶のテクニックは毎回同じで、基本的に使うのは「脳」だけです。にもかかわらず、ある大会において、大失敗といえるほどの結果となったことがありました。

 最初はただただショックでしたが、その後に大きな大会を控えていたため、「なぜこんな結果になったのか」を分析してみました。そして、自分なりに出した結論が、「集中力のコントロールがうまくできなかった」でした。

 私なりに考えた集中力とは、この5つです。