大英帝国の“過去の遺産”を復活させるのが、アヘン戦争で屈辱を受けた歴史を持つ中国の企業であるとはなんとも皮肉な話だが、これも「英国の老獪さ」の表れでもあるようだ。ロンドンに28年在住する日本人実業家は、次のように語っている。

「その時代時代によって、豊富な資金を持つ国をうまく利用するのが英国。このプロジェクトも実に英国らしいやらせ方だ」

高速交通網や開発案件で実績
日本には“一日の長”がある

 英国で初めてとなる「グリーンフィールド」への投資だが、中国企業は企業買収を中心とした投資を英国で活発に行っている。

吉利が製造会社を買収したロンドンタクシー Photo by K.H

 2013年、中国平安保険集団が、ロンドンの金融街・シティのシンボルである英ロイズ保険組合の本社ビルを2億6000万ポンド(約395億2000万円、当時1ポンド=約152円)で買収したことは記憶に新しい。

「Black Cab」の通称で知られるロンドンタクシー、その製造会社マンガニーズ・ブロンズ・ホールディングスは、2013年に中国の自動車メーカー・吉利自動車の手に落ちた。吉利自動車はコベントリーに2億5000万ポンド(約380億円)を投じて自動化工場を設立、2018年からゼロエミッションのタクシーを投入するという。

 2017年には、メディアが取り上げただけでもロータスカーズ(自動車)、イマジネーション(半導体)、トミーティッピー(ベビー用品)などの買収が報じられた。