着物を復活させるには
「儀式」と決別しなければならない

 こういう「ボッタクリ気質」を未だに引きずる業者もいるなかで、彼らのノウハウを悪用する第二、第三の「はれのひ」があらわれても、何もおかしくはない。

「とくダネ!」のキャスター・小倉智昭氏が今回の騒動を受けて、「これを機に成人式で着飾ったりするのをやめたほうがいい」と提案したら、飛躍しすぎだとネットで叩かれた。

 だが、実はこれは着物文化を守るという意味では、悪くない提案だ。先ほども申し上げたように、「着物」が衰退している最大の理由は、「ボッタクリ」ともいうべき高付加価値路線が行き着くところまで行ってしまい、葬式と同じように「セレモニー化」していることが大きい。

 それを牽引してきたのが「成人式」だ。ここで、若い女性は「一生に一度」の着物体験をして終わりとなる。結婚式でも使うという人もいても、そのような儀式用品であることに変わりはない。

 着物を復興させるには、このような「儀式」と決別してもう一度、普段着としてアパレル(普通の衣服)にならなくてはいけない。技術が世界一だというのなら、面倒臭い着付けなど必要のない、今の時代向きの着物を開発すればいい。作務衣や浴衣がそれなりに売れているなかで、そういう「進化」をしてもいいではないか。

 実際、外国人観光客や若い世代が気軽に着用できる安価なレンタル着物を提供するサービスは好調だ。「成人式の晴れ着」という「一生に一度使うかどうかの高級品」ではない、「普段使いの着物」にこそ、この伝統を守るための「答え」がある。

「はれのひ詐欺」を他人事だと思わず、なぜこのような消費者軽視のトラブルが起きてしまったのかを、着物業界全体で改めて考えるべきではないか。