中堅以上のサラリーマンの価値観は
今や世界的に見れば「特殊」

 10年近く海外で留学したり、働いた経験から言えば、日本の若い世代の仕事への考え方は、むしろ海外で働いている人のそれに近い。つまり、昭和的日本の就労価値観に完全に染まっているマネジメント層の方が、世界的に見て特殊なのだろうと思う。

 そういった、中堅からベテランの管理職の日本人の中にも、自分たちの特殊性に気づいている人は実はかなり多い。だが、頭ではわかっていても、すでに自分たちの「行動規範」となっていることを変えるのは容易ではない。

 筆者は、そういった行動規範を変えるのに最も重要なものは「体験的知識」だと思っている。体験的知識とは文字通り、自分自身が経験することによって得られる知識だ。学問的にも、価値観を変えるのに重要な要素は、態度を先に変えるより、行動を変えること、すなわち「経験すること」であると、多くの心理学研究で指摘されている。

「体験的知識」の具体的方策として、上記の例に則して考えるならば、飲み会なしで、どうやって部下とコミュニケーションを取るかを考えて実践する。また、自分とは違う価値観が創られる「環境」を体験することも重要だ。例えば、自分とは違う価値観を持つ人の接するメディア、社会環境などに身を置いてみる、などだ。例えば、欧米新聞社のサイトをニュースソースとして、常時読んでいる人は、日本語メディアしか読んでいない人と比べて、世界の見方が大幅に違うはずである。

 上記を実践することで、自分とは違う価値観とその源泉を、より直接的に知る機会が増えるだろう。それが一次的情報となる。それをいかに活かすかは、個人次第だが、一次的情報さえ得れば、それをうまく活かせる人は、日本人にはとても多いと思っている。事実、日本人は、オイルショックやバブル崩壊などの、「外的変化」を経験し、そこで得た知識を、完璧とは言えないまでも活かしてきた。