一方、当期純利益は16年3月期に一度増加し、6709億円となった。実はこのとき、みずほFGは“指定席”の「3メガ中3位」から脱し、三井住友FGを抜いて2位となった。07年3月期以来、9期ぶりの逆転だった(図(2))。

 ただ、このときは三井住友FGが出資先であるインドネシア中堅銀行ののれんを減損するなど、一時的な減益も重なったことが逆転の要因だった。「当期純利益にはプラスとマイナス両面の一過性要因が加わる。1期抜いただけでは意味がない」。当時の決算会見でそう語ったみずほFGの佐藤康博社長だが、さすがに今期のここまでの苦戦は想定外だっただろう。

 しかし、他メガのある財務部門関係者は、昨期からみずほFGの今期の苦戦を予想していたという。みずほFGの利益増減要因を分析した結果から導き出したのだ。

 そこで、それに倣って、過去3期のみずほFGの当期純利益が前年同期比で何によって増減したのかを分析してみた(図(3))。

地力がジリ貧に陥り
一過性の株売却益で利益を穴埋め

 まず注目したいのが、業務粗利益から国債などの債券売買益を引いたコア業務粗利益と、営業経費の二つ。この2指標は通常、市況などの外部環境によって大きくぶれることはないため、銀行グループにおける収益力や効率性の地力を見るのに適しているからだ。

 そこで、みずほFGの当期純利益においてこの2指標の増減寄与度を見ると、コア業務粗利益は16年3月期以降、800億~900億円の減益要因だった。もう一つの営業経費も、16年3月期に20億円ほどの増益要因にはなったが、15年3月期と17年3月期には約1000億円の減益要因となった。

 それでは何がみずほFGの収益源だったかというと、過去3期連続で増益に大きく貢献してきたのが、株式等関係損益。つまり、株の売却益だ。その背景には、12年にアベノミクス相場が始まって以降、株式市場が好調だったことに加えて、監督官庁である金融庁からの外圧やコーポレートガバナンス(企業統治)改革の観点から政策保有株、いわゆる持ち合い株の解消を進めてきたことがある。