大化けした「くまモン」だが
今のままではいずれジリ貧に

 ただ、筆者がこの新制度を支持する一番の理由は、「くまモン」というキャラクターの存在意義に合致しているからだ。

 もともとこの「くまモン」が、熊本でグッズをつくっている「製造業」にガッチリ稼いでいただこうという目的で生み出されたものならば、「産業保護」をしなくてはいけないが、当初はそういうものではなかったはずだ。

 このキャラクターは11年、熊本県の魅力を発信する「PRキャラクター」として生まれた。だから、熊本のPRや県産品使用を条件に、国内企業に限って無料で使用できたのだ。もともとは「熊本」や「熊本県産品」という「主役」を訴求する上での、「脇役」だったのだ。だから、キャラの設定も「公務員」となっている。

 だが、それがいつ間にか「主役」へと変わった。ぬいぐるみや文房具、お菓子、熊本県産でないようなものでも、「くまモン」のイラストがプリントされれば、とにかく売れていくのだ。11年のグッズ関連の売り上げは25億円だったが、5年経過した16年は1280億円だ。県庁職員だったらとっくに辞めて、個人事務所を設立しているくらいの大ブレイクを果たした。

 つまり、今の「くまモン」を巡るビジネスは、熊本県や熊本県産品の「PR」という範疇はとっくに超えて、「くまモン」単体のグッズや、イラストをプリントすればなんでも売れるという「キャラクタービジネス」に姿を変えてしまったのだ。

 それの何が悪いんだ!というお叱りの言葉が飛んできそうだが、残念ながらそれでは、「くまモン」というキャラビジネスの賞味期限は、それほど先が長くない。昭和30年代に観光土産ビジネスの中で生まれ、衰退していった「レール物」となにも変わらないからだ。