しかし、22日からの国会は、生活保護基準の引き下げ案を可決してしまうかもしれない。その引き下げ案では、子どものいる世帯に対する引き下げ幅が特に大きくなっている。

生活保護基準の引き下げは
何を考えているかわからない

 アスカさんは、「生活保護であろうと一般家庭であろうと、教育の機会は平等であるべき」だと思っている。

「保護費の引き下げは、教育の機会を奪っているような気がします。『日本は、若い人材を育みたくないのかな?』とも思います」(アスカさん)

 しかしアスカさんは、単純に「保護費が引き上げられればいい」と考えているわけではない。

「まず、実態を知るところから始めてほしいです。生活保護の暮らしの実態を知っていたら、『引き下げ』という考えには至らないのではないかと思います」(アスカさん)

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 世の中に対しては?

「不正受給のようなところばかりを見て叩くのではなく、本当に苦しんでいる人たちに目を向けて、誰もが希望を持てるようにしてほしいです」(アスカさん)

 ミサトさんは、引き下げ案に対して「何を考えているのか、わからない」と言う。

「生活保護世帯からの大学進学に一時金が出ることになるようですが、引き下げはそれと逆行していますよね。これ以上、何を切り詰めろというのかと……。生活が苦しくなるだけではなく、子どもに色々と影響するのですが、そこを本当に考えているのかどうか疑問です。『将来ある子どもたちから、今以上に何を奪うんだ?』という思いもあります」(ミサトさん)

 まずは、福島市が控訴しないことを願いたい。そして、生活保護基準の引き下げ案が撤回され、生活保護世帯の子どもたちが現在以上に希望や機会を奪われないことを願いたい。

(フリーランス・ライター みわよしこ)