ECBの大胆な金融緩和効果が長続き
浮いた資金は不動産に流れ込む

 輸出がユーロ圏経済の上振れを主導していることを見てきましたが、この動きを“脇役”として支えているのが、ECBの大胆な金融緩和です。

 経済状態が改善している中で大胆な金融緩和を続けることは、その金融緩和の効果を高める可能性があります。すなわち、経済の状況によっては、追加緩和を行わなくても実質的に追加緩和していることと同じような効果が経済に表れるのです。

 これは、景気が改善すると人々や企業のマインド・センチメントが明るくなるため、仮に金融緩和を行って貸出金利を引き下げなかったとしても、現在の貸出金利が相応に低ければ、資金を借りて経済活動に使おうとする人々や企業が増えるということになります。

 ECBは昨年の後半に金融緩和を積極化したわけではありませんが、まさにこの効果を体感しているというわけです。

 なお、現在の欧州の金利水準が相応に低いかどうかは、ドイツの10年国債利回りやインフレ率、10年国債金利からインフレ率を引いた実質金利を見ると、分かりやすいと思います。

 現在のドイツでは、10年債金利は約0.55%、インフレ率は前年比+1.6%ですから、実質金利は0.55%-1.60%=▲1.05%となります。ドイツ国債に投資している人にとっては、インフレ率控除後の国債投資からの利回りはマイナスになってしまいます。ですから、国債よりも期待リターンが高いものへ資金が流れ込むのは自然です。

 今のドイツでは、その資金の一部が不動産市況に流入していて、住宅市況は活況で住宅価格も上昇しています。ドイツのBulwiengesa AGという不動産コンサルティングによると、昨年の住宅価格の上昇率は前年比で+7.6%でした。