決意表明はそれにとどまらない。AI(人工知能)などによる電力供給効率化に積極的な中西氏は、「(再生可能エネルギーを活用し)、分散電源化したときの新しい電力の安定供給の仕組みづくりで日本が世界に遅れる可能性が高い」との危機感を示し、「制度設計をちゃんとやり直さないと駄目だ」と言い切ったのだ。

 当然、電力業界には波紋が広がっている。日立再生の盟友である日立前会長の川村隆氏が東京電力ホールディングス会長を務めていることも衝撃を増幅させた。

 中西氏は周辺に「川村氏とはずっと一緒にやってきた。(電力についても)意見は変わらない」と話している。

 国のエネルギー基本計画や電力会社の経営計画に東電などの意見が十分に盛り込まれないことも中西氏は問題視。次期計画に民間の声を反映する意向を示す。

 中西・川村の「日立連合」による改革を、かつて経団連をヒトとカネの両面で支えた東電関係者は複雑な心境で見守る。東電からすれば日立は発電機器を納める下請け業者だ。ある東電関係者は「政府を動かせるならやってみればいい」と高みの見物を決め込む。

 経団連会長の任期は2期4年。その間、日立が主導し、日本政府が後押しする英国での原発事業が具体化する。経団連と日立の会長として中西氏が背負う重荷は、電力関連だけでも相当なものになるだろう。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 千本木啓文)