真言宗の尼僧である悟東あすかさんが、ご神仏の力を借りて幸運に生きる方法を綴った『神さま仏さまがこっそり教えてくれたこと』には、悟東さんの周囲で実際に起こった、通常では信じがたいエピソードの数々が紹介されています。同時に、どのエピソードを読んでも、私たちがご神仏につねに温かく見守られていることを実感させられ、「神さま仏さまなんて、いるわけない!」と思い込んでいる人でもいつしか、「神さま、仏さまに祈ってみよう!」という気持ちになってくるはずです。ここでは、『神さま仏さまがこっそり教えてくれたこと』から一部抜粋・再構成して紹介します。(初出:2018年1月31日 再掲載に当たり初出時より改題いたしました)

願い事はどんな小さなことでもかまわない

ご神仏に「こんなお願い事は絶対してはいけない!」倍返し以上の悪いことが起こるかもしれない「怖いお願い」とは?【書籍オンライン編集部セレクション】悟東あすか(ごとう・あすか)
高野山真言宗尼僧であり、漫画家
幼い頃から「見えないもの」の存在を感じ、それに悩まされることもあったが、得度した時にお大師さまに願うことで、以後は祈る時にだけ感じられるようになり、現在に至る。尼僧としては、1984年、高野山別格本山西禅院徒弟として得度。受明灌頂授了。2006年、高野山大学加行道場大菩提院にて加行成満。同年伝法灌頂授了。2007~2009年、高野山大学にて中院流一流伝授授了。漫画家としては、1989年に集英社少年ジャンプ第30回赤塚賞準入選。同年週刊少年ジャンプ夏期増刊号にてデビュー。<撮影:松島和彦>

 多くの方々がご神仏にお願いして悩みを解決し、人生を変えていかれる姿を拝見し、また自分自身もご神仏に祈り続けて、つくづく感じることがあります。

 それは、「祈りには優劣がない」ということです。

 たとえば、日本には昔、道端でうっかり転んだ時や嫌なことがあった時などに、「なんまんだぶ(南無阿弥陀仏)、なんまんだぶ」と念仏を当たり前に唱えるというお年寄りが多くいました。

 南無阿弥陀仏とは、正式には「阿弥陀さまに帰依(心から信仰すること)します」という意味ですが、

「阿弥陀さま、お願いします」

 と祈る言葉でもあります。

 昔の人は、ちょっとしたアクシデントが起きた時、

「ひどい目にあったけど、無事でよかった。仏さま、ありがとう」

 と、とっさに仏さまに祈ったわけです。

「転んだ」という事実や嫌な出来事を受け止めて、

「おかげさまで無事でした。今後も助けてください」

 と自分からご神仏に働きかけている。

 これも、立派な「祈り」です

 こんなふうに、私たちのご先祖は暮らしの中でご神仏に祈り、助けを求めていたのです。そんな「日々の祈り」は素晴らしいと思います。

 ですから、あなたが本当に「救ってもらいたい」「この願いをかなえたい」と思うのなら、どんな願いでもいいのです。

 どんな小さな願いであっても、ご神仏は拾い上げ、救ってくれます。

「こんなお願いをしていいのかな」と遠慮しないで、すべてをおまかせするつもりでお祈りしてください。