現実と理想に大きなギャップ
自動車メーカーはどこへ向かうのか

 大きなボディサイズ、大きなエンジンサイズのアメ車を、アメリカ国内で大量生産・大量消費を続けていく姿勢をはっきりと示している自動車メーカー。

 その一方で、自動車メーカーは自動運転、コネクテッドカー、そしてEVや燃料電池車といった次世代車技術を進めようとしているのだが、当然そこにはミスマッチが起こる。

 環境対応、事故削減、渋滞緩和といった社会課題解決と、メーカーとディーラーにとって収益性の高い商品を販売し続けることは、現状では相反する行為なのだ。

 この他の話題としては、GMが同社傘下のベンチャー・クルーズオートメーションが開発した完全自動運転車「クルーズAV」を2019年に市販することを明らかにした。GMとしては、ライドシェアリングなど公共交通機関の代替として完全自動運転車を活用していく考えだ。

 完全自動運転車では、グーグルからスピンアウトしたウェイモが、FCAなど複数の自動車メーカー向けに自動運転制御システムを供給することがまっている。

デトロイトショーの凋落に見る米自動車産業の不透明感レクサスは将来のフラッグシップになるとされるクロスオーバー、LF-1リミットレスを世界初公開 Photo by Kenji Momota

 こうした中で気になるのが、道路側と自動車側との通信インフラの整備だ。現状では、アメリカ各州では道路局の予算の違いから、道路インフラ整備の状況に大きな差がある。

 今回、チャオ運輸長官は、自動運転向けのインフラ制度の規制緩和を進めることは明言したが、具体的な予算割り当てなどについては何も語っていない。

 結局、アメリカ各地で自動車関連の取材を進める中で感じるのは、トランプ政権が掲げる政策の「理想と現実との大きなギャップ」だ。

 アメリカ自動車産業界は、先行き不透明だと言わざるを得ない。

(ジャーナリスト 桃田健史)