天才が持つ「1%の閃き」を科学的に引き起こす方法

視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のシニア・エディターである浅羽登志也氏がベンチャー起業やその後の経営者としての経験などからレビューします。

エジソンはどのように実用的な電球を発明したのか

 電球を発明した人は誰かと聞かれたら、アメリカの発明王トーマス・エジソンと答える人が多いのではないだろうか。

 だが実は電球を発明したのはエジソンではない。イギリスの発明家ジョセフ・スワンなのだ。特許も、エジソンが申請する1年前にスワンが取得している。

 ただしスワンが考案した白熱電球は実用に向かなかった。光を放つ線状の部品であるフィラメントが、電流を流すと高熱になり、わずか数分で切れてしまうからだ。

 実用化のためには、長時間発光可能なフィラメントの素材を見つける必要があった。そこでエジソンも試行錯誤しながら探していたのである。

 そんなある時、エジソンはふと机の上に置いてあった扇子に目を留めた。その瞬間、「これだ!」と閃いた。扇子の柄に使われていた竹が素材として使えると思いついたのだ。

 そうしてエジソンは長時間点灯できる電球の実用化に成功した。

 そのエジソンが発した「天才とは1%の閃きと99%の努力である」という有名な格言がある。確かに努力は必要だ。しかし、そもそも「1%の閃き」がなければ、いくら努力しても意味がないのではないか。

 では、この大切な「1%の閃き」を確実に起こす方法はあるのだろうか。