インターネットや携帯電話の普及に対応して、多くの情報メディアは、この10年あまり「デジタル化」を追求してきた。しかし、2011年7月に、一部地域を除いてテレビ放送のデジタル化が完了したことで一つの区切りをつけ、この次の10年は「スマート化」へ舵を切りつつある。

 なお、ここでいう「スマートデバイス」の「スマート」とは、「インターネットによる通信機能と拡張機能を併せ持つことで、さまざまなコンテンツをクラウド的に提供するサービス」のことである。

 このようなメディア環境の変わり目において、メディアやデバイスが生活者に対してどのような役割を担うのかという視点は欠かせない。たとえば、スマートフォンやタブレット、そして今後の普及が期待されるスマートテレビなどのスマートデバイスによって、各情報メディアやコンテンツが、どのような「場所・空間」で、どの程度、そしてどのように利用されているのか。電通総研がこのほど刊行した『情報メディア白書2012』(ダイヤモンド社)掲載の巻頭特集から、その調査結果の一部を紹介する。

 調査概要は次の通り。

①調査名:電通総研「情報メディア利用実態調査2012」
②調査時期:2011年8月
③調査手法:Web定量調査
④調査対象者:全国15~69歳のインターネットユーザー5000人
 (人口構成比に基づくウェイトバック補正実施)
⑤調査協力:楽天リサーチ

メディア接触時間が長いのは
いまや「リビング」より「寝室」

 電通総研が実施した「情報メディア利用実態調査2012」の結果から、メディア環境における生活者の“本当の姿”を探ってみたい。