イアン・ブレマー氏 Photo:Leigh Vogel/gettyimages
高市首相の初の米国訪問、日米首脳会談が差し迫る中、トランプ米大統領のイラン攻撃に関する言動は二転三転している。ホルムズ海峡への艦船派遣で同盟国の消極的な姿勢を知るや、SNS上に不満をぶちまけるなどトランプ氏の態度は不透明だ。自衛隊派遣や原油高対応などについて首相は難しい決断を強いられる。この戦争を、私たちはどのように解釈すればいいのか?国際政治学者で、地政学リスク専門コンサル社長のイアン・ブレマー氏への取材を談話形式で紹介する。日本も他人事ではないリスクとは?(聞き手/国際ジャーナリスト 大野和基)
トランプは戦争の全責任を負わなければならない
米国とイスラエルによるイランへの軍事介入は、安全保障、経済、外交のほぼ全ての面で、トランプ政権にとって「想定外」が多いことが判明してきている。ホルムズ海峡での船舶停止への対応、米国軍と湾岸同盟国へのイラン側の報復に関する準備不足などが、その査証だ。
トランプ大統領は当初、攻撃の理由として、イランの近い将来の核兵器開発、弾道ミサイル計画の加速、外交の非妥協の姿勢など、さまざまな理由を挙げた。
(1月の)ベネズエラへの攻撃についても同様に、正当化するさまざまな理由を挙げたので、特段驚くべきことではない。しかし、イラン戦争がトランプの望む方向に進んでいない今、どの理由も説得力がないことがよりフォーカスされている。
トランプ政権関係者は当初、同盟国に対して「軍事攻撃は数日で終わる可能性が高い」と伝えていた。ベネズエラよりも大規模な軍事作戦だが、同じ作戦手順だと。
しかし今、トランプ氏は自ら始めた大規模で予測不能な戦争の、全責任を負わなければならない。この戦争は米国民から支持されていない。共和党員の半数ちょっとは賛成しているものの(ただし戦争を行う正当な理由があるとは確信していない)、国全体で広く支持されていない。
同盟国からも支持されていない。トランプ氏は今になって支持を期待しているが、最も親しい同盟国と調整したり、事前に知らせたりしなかった。







