膣がユルいなんて
夫には絶対知られたくない

「生命にかかわる病気ではないのなら、時間がかかっても体操で治そう」と美由紀さんは決めた。

 クリニックでまず教わったのは、骨盤底筋の場所だった。

「膀胱瘤の患者さんのほとんどが、骨盤底筋体操を間違えて覚えています。肛門の体操じゃありませんからね。ここ、ここを鍛えないといけないんです」

 膣に指を入れて教えてもらうと、恥ずかしながらよく分かった。

 体操には、「よつんばい」「座り」「仰向け」「横向き」など、さまざまな姿勢で行うものがあるが、仰向けに寝て行う体操を学んだ。

 膝を軽く立てた姿勢で、骨盤底筋を締めたりゆるめたりする。

「ただ締めるだけじゃダメ。柔軟性が大切ですから、ゆるめることも覚えましょうね。はい締めて、はいゆるめて……」

 指示に合わせて力を入れたり抜いたりしていると、「膣は筋肉なんだ」としみじみ思う。体操の効果は2~3ヵ月であらわれるという。

 (意外と簡単。これからは毎日頑張ろう。それに、膣が締まるようになると、臓器脱が治るだけでなく、美容や健康にもいい効果があるんだって)

 早くもウキウキの美由紀さんだが、この間の経緯は、和正さんには一切伝えていない。恥ずかしいし、(膣がユルユルなのか)と、がっかりされるのが怖いからだ。

 絶対知られてはいけないと思っている。