コインチェックの他の仮想通貨では実施されていたことなので、不正流出を防げなかったのは、「NEM」の管理に起因することか、取引の利便性を優先するなどして規制や法整備が手遅れになったかのどちらかである。

 いずれかにしても、不備のそしりは免れない。

 仮想通貨については、技術が進み過ぎている一方、投資家も一攫千金の夢が膨らみ、かなりリスクと規制がアンバランスになっている。

 安心できるような法的整備も当分は追いつかず、「無法地帯」に近い。

 これまで業者サイドも規制を嫌い自由にやってきた。法改正でもできる限り緩い規制というのが、業者側の意向であり、金融庁もそれに従ってきた。

 それが仮想通貨に進取の人を引きつける魅力でもあったが、今回の問題でわかったのは、決済手段としては当分、手を出さない方が無難だということだ。

 どのような技術的な防備対策を施しても、サーバー攻撃は決してなくならない。新しい市場であるので、今後も想定外の出来事がいくらでも起こるだろう。

仮想通貨の今後は
規制がどうなるかが鍵に

 仮想通貨の今後を占うためには、規制がどうなるのかがポイントだ。

 コインチェックの仮想通貨流出をめぐって、金融庁は業務改善命令を出した後、コインチェック側からの報告を待たずに立ち入り検査に入った。

 金融庁の立ち入りはどのように行われたのか。同じような法令違反がわかったとして、登録事業者であれば問題はないのか、「みなし事業者」はいずれ事業が継続できなくなるのか。このあたりもはっきりしない。

 仮想通貨交換業者(取引所)については、2016年5月に法改正が成立し、2017年4月から登録制となっている。

 そこでは、マネーロンダリング・テロ資金供与対策規制として、口座開設時における本人確認の義務付けのほか、利用者保護のためのルールの整備として、利用者が預託した金銭・仮想通貨の分別管理が要請されている。