ミセスの朝ドラ主題歌を聴くだけでも「すてき」になる!?制作スタッフが明かす“オファーのワケ”〈風、薫る第1回〉『風、薫る』第1回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、毎日レビューを続けて10年超えの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は、第1回(2026年3月30日放送)の「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)

今度の朝ドラはモデルがいるか

 トレンドナースではなく「トレインドナース」。これは正規に訓練された看護師のことだ。

 朝ドラこと連続テレビ小説第114作は明治時代、トレインドナースとして人々のために働いた一ノ瀬りん(見上愛)と大家直美(上坂樹里)の物語。

 まず気になるのは、この物語は史実に基づいたものなのか否かということ。ドラマの主人公のモデルになった人物は、いる。

 大関和さん(1858〜1932)と鈴木雅さん(1857〜1940)だ。ふたりは、1886年(明治19年)に桜井女学校の看護養成所に第1期生として入学し、卒業後は帝国大学医科大学第一医院でトレインドナースになった。

 鈴木さんはやがて日本ではじめての個人経営の派出看護婦会を設立し大関さんはそこに参加する。ふたりは人々を苦しめる疫病などに果敢に立ち向かった。

『風、薫る』は、大関さんと鈴木さんのふたりをモチーフにして大胆に再構成した物語。あくまでモチーフであり、フィクション。原作はない。『あなたのことはそれほど』(2017年、TBS)『初めて恋をした日に読む話』(19年、TBS)などを手がけた吉澤智子のオリジナル脚本となる。

 今回の注目点は、Wヒロインであること。見上愛さんはオファーで、上坂樹里さんはヒロインオーディションで選ばれた。

 見上さんは大河ドラマ『光る君へ』(NHK)で藤原道長の娘・彰子を演じて注目された俳優。大河で重要な役を堂々と演じた実績があったうえで朝ドラヒロインに抜擢(ばってき)されたこともあって、エリート感がある。見上さんが演じる一ノ瀬りんは武士の娘。明治維新で身分制度が廃止されたため、庶民になってしまったが、育ちの良さは隠しきれないという役割を見事に演じている。

 一方、オーディションで朝ドラヒロインを勝ち取った上坂さん。2410人の中から選ばれた、フレッシュな19歳。『生理のおじさんとその娘』(NHK)、日曜劇場『御上先生』(TBS)などに出演し、その演技に注目が集まっていた。