紙媒体からしか得られないメリットと、スマホ読書のデメリット写真はイメージです Photo:PIXTA

電子書籍を読んでも、なぜか頭に入ってこないと思ったことはないだろうか。その感覚は科学的にも正しいのかもしれない。実は、同じ本でもスマホで読むのと紙で読むのとでは、内容理解に大きな差が出るという。紙媒体からしか得られないメリットと、スマホ読書のデメリットに迫る。※本稿は、脳科学者の毛内 拡『読書する脳』(SBクリエイティブ)の一部を抜粋・編集したものです。

情報が溢れる今だからこそ
紙媒体の価値が高まっている

 現代のビジネスパーソンは、スマートフォンからの絶え間ない通知やメール、SNSのチェックに追われ、脳が常に何かを処理し続けなければならない情報過多の時代を生きています。

 このような環境では、触れる情報すべてを次々とインプットしようとすることはむしろ混乱を招き、重要な情報を見落としてしまうリスクがあります。

 したがって、現代人には「得られる情報の量」ではなく、「情報の質を見極める力(デジタルリテラシー)」が強く求められているのです。

 この「情報選択力」を養う上で、紙媒体による読書の重要性が、デジタル時代において改めて見直されるべきだと私は思います。

 皆さん自身がおそらく実感されているように、デジタルデバイスを用いた情報消費では、得られる情報が断片的かつ高速になり、深い思考や知識の定着が阻害される可能性が高いです。

 これにより、読書が本来与えてくれるはずの「深い知識習得」や「思考力の涵養」といった価値が、表面的で即時的なものに置き換えられてしまいやすいのです。

 情報が洪水のように押し寄せる今だからこそ、本当に大切なのは「質の高い情報を深く味わう力」。その力を鍛える最強のツールが、実は紙の本なのです。