理由は、改革の当事者である労働者(従業員、経営者、政治家、官僚等)の多くが、欧州とは異なる日本人の文化特性を考慮に入れていないからです。

 欧州はじめ他の先進地域の人たちと比べ、日本人の間で顕著かつ広範に見られる文化的な傾向(その多くは、社会の同質性や内向的な集団性からくる)は何なのか。これらが、自分たちの労働環境(社会や産業の構造、経営方法や雇用制度、個々人の働き方等)にどう影響を与えているのか。

 筆者の目には、こうした点への関心や客観的な理解が薄いまま働き方を変えようとしているので、無理が生じているように映ります。

 家に例えるならば、日本的な地盤の上に、表面的には西洋風の建物をつくりリフォームを繰り返してきた。パソコンに例えると、マックのOSの上でウィンドウズのアプリをインストールし更新を繰り返してきた。よって、素早く起動もしなければ、起動してもサクサク動かない状態が100年続いているようなものです。

 こうした中、これから日本人がとるべき道は2者択一です。1つ目は、これまで同様、自分たちの文化に向き合うことなく、表面変われど本質変わらずの骨抜き改革を繰り返す。2つ目は、自分たちの文化を理解し変えるべきところは変え(またはそれを活用し)、真の改革を進めて悪しき労働慣行を排除する、です。

 今後、本同コラム等を通じ、これら文化特性がどういうもので、どう扱えばよいかについて筆者の見解を示しますが、いずれにせよ、筆者は2つ目の選択肢を支持します。また、多くの方々がそうであることを期待します。