共有物や専用使用権が認められている共用部分は、各区分所有者の意識が異なるのでトラブルになりやすい。自宅ドア付近の共用廊下に植木鉢や子ども用自転車を置くこと、ベランダに自転車、物置、プランターを置くことは、そのくらいならいいのでは、と思う人も多い。

 しかしこれらは、法的には全部アウトなのだ。廊下もバルコニーも消防法上、避難経路に指定されていて、所有物を置くことは禁じられている。このような共有部分でさえ我が物顔で所有物を置いてしまうのだから、専有部分をどう使おうと所有者の勝手、と考える人がいても不思議ではない。

 最近、マンション住人の中で増えている単身高齢者の中には、「なんとかしたい」という思いはあっても体がきかず、掃除もままならないという方もいる。こうなると、一軒解決してもまた一軒「ゴミ屋敷」が出現するということになりかねない。

手間はかかるが
法律は管理組合の味方

 自宅マンションにゴミ屋敷が出現して、実害が出ていなかったとしても、放置すれば、全体が「ゴミマンション」の評判を得ることになる。不幸なことに、自宅マンションにこのようなゴミ屋敷が存在することがわかったら、管理組合が最初にすべきことは何だろうか。

 まずは管理会社、管理人さんに相談して対応してもらうことが第一歩だ。力量ある管理会社なら、そのノウハウを発揮して大きな問題になる前に解決してくれるかもしれない。ここで解決を見られれば、かなり優秀な管理会社と契約している事になる。

 しかしながら、共同住宅に住んでいるのに、周りの迷惑を顧みずゴミ屋敷にしてしまう人は、そう簡単に応じてくれないことが多い。管理会社、管理人、清掃員、理事、区分所有者、みんな総出で、マンション管理組合総会レベルの問題として、根気よく問題解決の糸口を探らなければならない。

 しかし、私の印象では、ゴミ屋敷の所有者は、相手が大きくなればなるほど話し合いには応じない傾向がある。管理会社の説得に応じないなら、管理組合に耳を傾けることはまずないのだ。それゆえ管理組合としての方策は、最終的には「法に訴える」という方向にならざるを得ない。