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スライドでわかる!「×(かける)マーケティング」集中講座

日本ブランドのグローバル戦略に
必要なのは「原点回帰」

変わり続ける「戦術」と変わらない「本質」

山崎浩人
【第2回】 2012年2月1日
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 さらに、この課題は「日本とグローバル」という点から見ても共通といえるかもしれません。今はまだグローバルランキングに日本のブランドはランクインしていませんが、課題を克服して「情緒的付加価値」を提供することができたなら、日本のブランドがこのランキングに名を連ねる日がきっとやってくるだろうと考えています。

 また、グローバルランキングでランクインしている企業は商品ブランドだけでなく、企業ブランドがしっかりと確立されているということも忘れていけない点でしょう。これまで日本では商品ブランドに比べて企業ブランドはあまり重要視されず、マーケティング予算の配分という点でも、商品ブランドに重点的に投資する企業が多かったように思います。みなさんも何気なく商品を購入し、「あらためて見たら○○という会社のブランドだった」という体験をしたことがあるかと思います。

 これからはより一層グローバル化が加速し、ソーシャル・メディアが浸透するでしょう。そのなかで数多くの商品を抱える企業が商品ブランドごとに国内外それぞれでソーシャル・メディアを使って商品をアピールしていては費用と労力がいくらあっても足りません。そこで、これからは企業ブランドの価値を高め、これを基盤として商品ブランドと連携させることで資産を最大化し、効率的にアピールしていく戦略が有効になると私は考えています。

成長のヒントは
原点にこそある

 では、日本のブランドが世界に進出していくには、どんな点が重要となるのでしょうか。私がポイントとしてご紹介したいのは、ブランドの「情緒的付加価値」の基盤となる「パーソナリティ」や「イデオロギー」といったものです。

 日本で確固たるポジションを確立してきたブランドであっても、世界に出ていけば必ずしも日本と同じようにはいかないでしょう。新たなマーケットでブランドとしてのポジションを確立するには、「そのブランドが提供している価値は何なのか」を明快かつシンプルに答えられるようにするために、あらためて「自分たちが、社会に、世界の消費者に、提供できる価値は何なのか」を深く考察し直す必要があると思われます。

 かつて企業特有の特徴や考えを整理してまとめるCI(コーポレートアイデンティティ)が注目されたこともありましたが、どちらかというと社員や株主にむけて発信している傾向が強い印象でした。今の時代にふさわしく、生活者が容易に理解でき、企業は生活者にどのようなメリットを提供するのか、といった点がわかるように見直されるべきでしょう。さらにスローガンのように掲げるだけではなく、商品開発やコミュニケーション戦略といかに連動させるか、も重要といえます。

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数々の先進的マーケティング手法と事業の開拓を手がけてきた筆者が、「ソーシャル×ブランディング」の視点から、個人と企業、社会のこれからの成長モデルを解き明かす。インフォグラフィックス(スライド)を豊富に用いた次世代マーケティング (Marketing3.1)講義。

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