こうして吉田氏は同年12月にソニー本体に復職。以来、パソコン事業の売却、テレビ事業の分社化、スマートフォン事業の減損などの「平井改革」を支えてきた。

 ゲームと半導体がけん引する現行の中期計画は、吉田氏の構想が中心だ。17年3月期には映画事業の減損を断行し、今期の最高益につなげている。

何が成長ドライバーか

 吉田氏は、平井路線を受け継ぐというよりも、それをつくった張本人だ。だが、その路線で高収益を果たした今、次のビジョンが求められる。

 昨年5月にソニー社内で開かれた管理職会議で吉田氏は「これまではどうやって再生させるかという問題が大きかったが、今後は何を利益成長ドライバーにするかという問題に向き合わなければならない」との問題意識を示した。

 同時に吉田氏は、インターネットの時代にアップルやアマゾンに圧倒的な差をつけられたことを踏まえ、AI(人工知能)・ロボティクス分野でソニーの画像認識技術の強みを生かせと、檄を飛ばしたという。

 4月から始まる3カ年の中期計画では、吉田氏のビジョンが明らかになる。今後、新たな事業モデルを生み出すことができるかどうかが大きな課題になるだろう。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 村井令二)