任天堂の家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」が絶好調だ。6年で1億台を販売した大ヒットゲーム機「Wii」を超える可能性も見えてきた。2年目以降はどう出るか。君島達己社長を直撃した。(週刊ダイヤモンド委嘱記者 村井令二)

任天堂社長「2年目の『スイッチ』は普段ゲームに見向きもしない層まで広がる」君島辰己・任天堂社長 Photo by Masato Kato

「ニンテンドースイッチ」が
大ヒットした理由

――「ニンテンドースイッチ」は初の年末商戦で、飛ぶように売れましたね。何がよかったと分析していますか。

 今回スイッチを発売したのは昨年3月ですから、ホリデーシーズンのような勢いある環境ではなかったわけです。

 だから、われわれが思ったものを届けるには、具体的にどういうものを用意して何を連続すれば、受け入れていただけるのかよく考えました。きちんと戦略を考えた上でのスタートだったのです。

――ソフトの品揃えを意識したということですか。

 それはもちろんです。最初に何を出すか、そして次に何を出すか。これは非常に大事なポイントですからね。最初に用意したソフトは「ゼルダの伝説」です。過去の任天堂ソフトの中でも力があったし、それなりの思いを込めて作ったソフトです。

 そして4月に「マリオカート」です。これは定番。いいスタートが切れていれば、それなりに受け入れられるとは思いました。それから、スイッチ用の新しいタイトルの「ARMS」、そしてWiiUの時代にヒットした「スプラトゥーン」と連続で投入した。この辺で、スイッチがそれなりのハードだと認めていただけるような素地ができてきた。

 その上で年末商戦向けに出したのが「スーパーマリオオデッセイ」です。これは自信作でしたから、年末のホリデーシーズンにタイミングよくお届けできたのは本当によかった。それまでのスイッチの勢いも伝わっていたので、12月になって一気にスイッチは広がりました。販売拡大が一番大きかったのは12月でした。