TOEIC300点台の日本人の両親のもとで育ち、旅行などの短期滞在を除いて海外在住はゼロ。まさに世間で言われる「純ジャパ(純ジャパニーズ)」は、なぜ独学で10カ国語を身につけられたのか? 『純ジャパの僕が10カ国語を話せた 世界一シンプルな外国語勉強法』が話題沸騰の10カ国語を操るマルチリンガル・秋山燿平氏に最短で外国語を話すためのコツを教えてもらう。今回は、「覚えていい単語、ダメな単語」について解説。
「使わない単語」を覚えるから挫折する
・単語帳を一から覚えていく
・文法書で文法を暗記する
これらを一から丁寧に、時間をかけて勉強しているのに、まったく会話力は向上しない……。そのような状況に陥っている外国語学習者も多いと思います。
こうなる原因は、覚えても使わないからです。ここで必死になって覚えた文法知識や単語は、実際にはその一部しか初期段階では使いません。残りの大半は、実生活で発揮される時を今か今かと待ち続け、結局は一度も使われることなく脳内から姿を消してしまいます。
たとえば、市販の単語帳には、初期の会話に必要ない単語が多く含まれています。ある単語帳では、数ページ目に「食べ物」と題して、「玉ねぎ」「人参」「キャベツ」といった単語が並んでいます。
想像してみてください。あなたはその外国語の初心者です。覚えたての外国語で会話をするとき、はたして「玉ねぎ」という単語を使うでしょうか? この問いに「イエス」と答える人は、おそらく相当な料理好きか、好きな食べ物がオニオンスープの人だけでしょう。それ以外の人が、初期段階でこの単語を使うことはないと言えます。
とくに料理好きでもなく、外国人と話した経験すらないのに、食材の単語をすべて覚えていく……少し考えただけで挫折する未来が見えてしまいます。これら“使わない単語”を学ぶために費やした多くの時間を、より実用的な単語・表現を覚えるために使ったり、外国人との会話に使ったりしていたら……皆さんの言語学習の結果は大きく変わっていたかもしれません。