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KEY PERSON interview

国内で標準化を進め、
グローバルITの統合にも着手。
「中国市場の急拡大をITでけん引する」資生堂

2012年2月17日
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国内では年間1億円以上のコスト削減、
欧州では運用コストを半減

――日本国内では、2008年から稼動しているとのことですが、具体的な効果は出ていますか?

 国内の関係会社27社について、会計業務を切り出してシェアードサービスとして提供しています。これは2009年の評価で年間約1億円強のコストダウン効果を出しています。また、国内の販売会社では通常月に1万枚、四半期決算月には1万6000枚の伝票入力作業が発生しますが、これを中国にアウトソースしました。定年退職による自然減や他部門への異動などで、管理担当者10人規模のコストを削減できました。金額には換算しにくいですが、システム変更の手間や期間短縮も大きな効果です。

――国内だけでそれだけの効果が上がったのなら、グローバルに展開すればかなり大きな効果が期待できそうですね。

 そう思われるでしょうが、実際はそううまくはいかないと思います。日本は元から重装備で人材配置が厚いので、シェアード化などによる効果も大きく出ました。しかし海外はもともと少ない人員で対応しているので、単純に標準化や統合だけでは大きな効果にはつながらないでしょう。人材の質を高めるなど、ほかのアプローチも必要になると思います。

――日本で定めたグローバル・テンプレートを海外に展開する上では、どのような苦労がありましたか?

 まずは言語や文化の違いによるコミュニケーションです。日本から何か伝える場合にも、翻訳の手間に加え、距離や時差があり時間がかかります。それから、これまで各地自由にやってきたところにグローバルでガバナンスを利かせることになり、摩擦や反発もありました。そしてITリソースの問題です。各地がそれほど多くIT人材を抱えていたわけではないので、大型のプロジェクトを進めるにあたっては人繰りが大変でした。日本でさえ、プロジェクトを開始した当初は、海外担当が2人しかいませんでしたから。

――これらの課題は、どのようにクリアしましたか?

 時間をかけて粘り強く取り組むしかない面もありましたが、目的やルールをしっかり作り共有を徹底しました。考え方の基本、つまり、開発における「憲法」とも言える“チャーター”を本社でしっかりと作り、それを各地域でシステムに落とし込むというやり方です。とにかくドキュメント類はたくさん作りましたね。

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