日本通信はドコモからすれば仇敵だ。過去に回線貸しをめぐって国の紛争処理委員会でもつれた末に、ドコモが貸さざるを得なくなった事情がある。

 にもかかわらず、今回は東日本側から日本通信に話を持ちかけたというのだ。日本通信幹部も「昨年10月に東日本から声がかかったとき耳を疑った」と言うほどだ。

 こうした背景には東日本の固定の光回線(フレッツ光)がすでに922万契約に達し、新規顧客の先細りが目に見えていることがある。

 NTTグループにとっては固定とモバイルを融合させ、一体化を図りサービスを向上させることが至上命題。それだけに、今回のサービス開始が持つ意味は大きい。

 こうした動きに呼応するかのように、7月からはグループ4社で請求書を一本化できるようにすると発表。利用者からすれば便利だが、サービス一体化の象徴のようにも映る。

 NTT東日本広報室は「単にサービスが一つ増えただけです」と言うが、2013年にも始まるNTT見直し議論を前にしたグループ一体化への胎動なのかもしれない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 小島健志)

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