規模より「面白さ」や「影響力」
2社の今後のビジョンと働き方の未来
株式会社スピーク共同代表/「東京R不動産」ディレクター。マッキンゼー・アンド・カンパニーを経てコロンビア大学建築大学院不動産開発科修了。「東京R不動産」では主に事業面のマネジメントを担い、他に不動産の開発・再生における事業企画・プロデュース、カフェ・宿の経営などを行う。
林:御社は規模的に、これからどうなろうと考えていますか?
篠田:サイズの定義はあまりないですね。事業としてカチカチにここまでの規模になろうというようなことは決めていません。それも糸井の個性で、「こうだ」と決めてしまうとそのサイズで終わってしまうと言うんですね。
現時点では、1000人などという大企業はまったくイメージしていなくて、それよりも「影響力や信頼」が高まることが大切だと思っています。仮に売り上げや日々サイトを見ていただく訪問数が今の倍の数で止まったとしても、ほぼ日を知っている人や、プラスのイメージを持っている人が日本全国になったらいい、世界に広まったらいいなということは、本気で考えています。
林:僕らはまだ力は小さいですが、考え方はまったく同じです。
吉里:R不動産の物件営業をしているメンバーは10人程度ですし、まだ増やしたいんですが、今のほぼ日さんの規模すら、僕らはまだイメージできていないんです。お互いがある程度の深さや近さでコミュニケーションをとりたいと考えているので、そうなると今の倍の20人くらいまでなのかなとイメージしています。実際に20人になったら、その考えもまた変わるのかもしれないんですが。
林:僕は小さい組織のほうが好きですが、すごく大きい組織になっても、今と同じくらい官僚的な要素がまったくなく、構造的にも上下関係が変な形にならず、すごく自由にそれぞれがやりたいことができたら、すごいことだと思うんです。ただ、やはり、組織が大きくなると、成り立たないでしょうね。だから、今後、追求する成長基準は「面白さ」や「影響力」だと思っています。
篠田:そうですね。私個人としても、会社として桁違いの規模になってほしいとは切望しないけれど、同じようなことを大事にしている会社がいくつもできて、普通にこういう働き方はあるよねと認知されるといいですよね。それぞれの規模は10人から50人という、東京R不動産やほぼ日のような会社が5万もある状態というか。つまり、こういう取材を受けなくなるという日が来るといいなと思います(笑)。
(連載終了)
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――江副浩正 氏(株式会社リクルート創業者/特例財団法人江副育英会理事長)
――本田直之 氏(レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長)
――小山薫堂 氏(放送作家/脚本家)
――柳澤大輔 氏(面白法人カヤック代表)
――遠山正道 氏 株式会社スマイルズ(Soup Stock Tokyo)代表取締役社長
――西村佳哲 氏 リビングワールド代表/働き方研究家
――小暮真久 氏 TABLE FOR TWO 代表理事/『「20円」で世界をつなぐ仕事』著者