男性優位の労働慣行が
ワンオペ育児を助長させる要因に

 母親か父親のいずれか一方が家事育児の大半をこなしている状態を「ワンオペ育児」というが、やはりこの問題に悩まされるのは圧倒的に女性のほうが多いという。

「実際、6歳未満の子どもがいる父親が家事育児にかける時間を、世界各国で比較してみると、アメリカが2時間51分、フランスが2時間30分、スウェーデンが3時間21分となっています。ところが、日本の男性は1時間7分しか家事育児をしていない。その分、女性の負担が重くなっているのです」

 背景には「家事育児は女性がするべき」という、性別役割分担意識の問題もあるが、ワンオペ育児を助長させる要因はそれだけではない。

「日本では、1990年代半ばまで専業主婦世帯が多かったため、妻が家で家事育児をして夫が外で稼ぐ、というスタイルが一般的でした。その後、共働き世帯の数が専業主婦世帯を上回るのですが、共働き夫婦のための社会インフラが、まだ整ってないのです」

 たとえば、保育施設が充実しているフランスは、日本ほど待機児童の問題は深刻ではないという。また、アメリカやイギリスは、ベビーシッターやハウスキーパーを呼ぶなど、家事育児の外注システムが発達しているそうだ。