出して、出して、出して、
「ごきげんに生きる」を実感

半身麻痺の夫と2人暮らしの由利子さん(仮名)が断捨離と出会ったのは、3年前。

断捨離にどんどん関心が湧いてきたある朝、食料庫の中をごっそり断捨離し、さて……と冷蔵庫を開けると、なんと電気が切れて壊れていたそうです。

そこで、食品はほぼ全て廃棄し、これを機にワンサイズ小さな冷蔵庫へと買い替えたのが最初の1歩でした。

次に、不要な食器とともに、3つあった食器棚の2つを処分しました。

おかげでキッチン周りが広くなり、歩きやすくなりました。

また、カラダが不自由な夫のことを思い、身の回り品をそばに集めたり、コロ付きの椅子で座ったまま移動できるようにしていましたが、広くなってみると、違和感があります。

夫に動けるようになってほしいのに、動かずに済ませるのは、親切のようで逆に不親切ではないかと、気づいたのです。

当時、2~3日おきに孫を連れて遊びに来ていた次女は、来る度に変わっていく実家にびっくり。

2人の来客が泊まれる分だけあればいい、と寝具を絞り込み、衣服も精査した結果、タンス1棹(さお)を手放すことになりました。

「モノが減り始めると、捨てられないと思い込んでいたモノまでもガラクタに見えてきた」と由利子さん。

「そのうちネットオークションで売ろう」と思っていた“後ろめたさの証拠品”を、ばっさばっさと手放す快感。

それでも、最後まで捨てられなかったのは本。

数万円の壺は捨てられても、1冊1500円の本は捨てられず、捨てるくらいなら売ってお金にする……と思っていたそうで、その量30年分。

結局、半分くらいを図書館に寄付しました。

由利子さんは「まだ途中です」と言うものの、生活の快適さは格段に向上。

久しぶりに訪れた長女の「玄関に入ったとたん、空気が違う」「呼吸がしやすい」という感想にも、変貌ぶりがうかがえます。

その他、断捨離して起こった変化の数々は……

・夫がリハビリに意欲的になった

・娘たちが遊びに来ても、きちんと片づけて帰るようになった

・掃除が楽しくなった

・流しや食卓の上には最低限のものだけで、不要なモノが何もない

・いつ人が来ても困らないし、冷蔵庫も開けて見せることができる

・自宅に帰るのが楽しみになった

・「金運アップのため」のトイレ掃除も、キレイにすること自体が目的になった

・じわじわと体重も減ってきた

由利子さんは今、「断捨離でごきげんに生きる」をしみじみ実感しています。