迎え撃つ東電・東ガス

 2社の鼻息は荒い。30年度に電力で200億キロワット時、ガスで100万トン、顧客数300万件を目標としてぶち上げている。

 東電と東ガスは、そんな2社を迎え撃つことになるのだが、とりわけ東ガスが劣勢に立たされる公算が大きい。というのも、東ガスは東電に比べて、顧客流出を防ぎ、電力・ガスの販売拡大に資するアライアンス戦略が進んでいないからだ。そのおっとりした企業文化から“公家”と評される。

 東電は電力自由化前から、LPガス大手の日本瓦斯やTOKAIグループと電力やガスの販売において提携した他、中部電とは先述したジェラを設立。自由化後は、攻撃は最大の防御とばかりに、日本全国で電力を販売し、他社から顧客を奪いにかかっている。

 一方の東ガスは、埼玉県さいたま市を地盤とする中堅LPガス会社、サイサンと提携したくらい。

 ガスの原料調達や火力発電分野で、関西電力と提携したものの、電力・ガスを共同で販売するような深い関係には至っていない。「東ガスはエネルギー各社に秋波を送り続けているようだが、成就していない」と複数のエネルギー会社幹部は明かす。

 中部電は日本最大の石油・天然ガス開発会社である国際石油開発帝石とも電力卸販売の提携関係にあり、大ガスは中堅LPガス会社の伊藤忠エネクスと提携している。新参者の2社はお互いの提携先をフル活用して東ガスのシェアを奪いにかかろうとしている。

 新会社が、将来的に東ガスを悩ませる存在になることは間違いなさそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 片田江康男)