インターネットやスマートフォン、ゲームの「病的な影響」を指摘する研究が相次ぎ、社会問題化している。

 今年1月には米アップルの大株主である機関投資家が、「過剰なスマホ使用が子供の心身の健康にどう影響を及ぼすのか」を調査するよう同社に要請。放置すれば「スマホ依存」がますます社会問題化し、同社の株価に打撃を与えかねない、というのだ。

 実際、今年6月にWHO(世界保健機関)から公表される予定の「国際疾病分類」では、日常生活に支障を来すほどゲームに没頭するケースを「ゲーム障害」とし、ギャンブル障害と並ぶ「嗜癖障害」として採用することが明らかになっている。Facebookなどソーシャルメディア依存は「その他の嗜癖行動による障害」に分類されるようだ。

 ゲーム障害の診断基準は「少なくとも12カ月間は」、(1)ゲームをする衝動が抑えられない、(2)ゲームを最優先する、(3)問題が起きてもゲームを続ける、(4)個人や家族、社会・学校生活に重大な支障を来す、などの症状があること。幼少期は進行が早いので、全ての症状を認めかつ重症であれば、12カ月未満でも依存症と診断される。

 また2月4日付の米「ニューヨークタイムズ」によると、米Facebookや米Googleの草創期に活躍した著名な技術者、投資家らがソーシャルメディアによる病的な影響、すなわちうつ病や不安障害、病的な自己愛の肥大に警鐘を鳴らす組織を設立。

 「われわれの社会はテクノロジーに支配されている」と問題提起し、ネット依存に対抗するロビー活動を行い、全米5万5000の公立学校に啓発プログラムを提供するという。

 参加者の1人、「シリコンバレーのカリスマ投資家」と呼ばれたR・マクナミー氏は「Facebookは人間の“トカゲ脳”を刺激し、原始的な恐怖や不安を煽る。私は過ちを正す機会を与えられた」としている。

 同団体のホームページ(!)には、スマホ画面をモノクロにして過剰な刺激を避ける方法などが紹介されている。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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