中でも中国人が経営する「和風居酒屋」のキャッチ(日本人も中国人もいる)は数も多く、そのしつこさ、強引さがたびたび問題になってきた。

中国人が経営する「和風居酒屋」が増殖中、その儲けのカラクリとは中国系和風居酒屋に雇われている日本人キャッチ Photo by Naoki Nemoto

 その背景には何があるのか。中国系居酒屋に雇われている日本人キャッチの一人は言う。
 
「中国系の店は儲かるからね。歩合が高いんだよ。月に70万〜80万円稼いでいる人間もザラにいる。風俗のキャッチは警察に捕まるリスクが高いけど、居酒屋ならそこまででもない。特に最近は観光客も増えて、道路に金が転がっているようなもの。だから、みんなギラギラしてるんだよ」

 彼らは固定給ではなく完全歩合制で働いている。平日は、引いた客が店で使った金額の15〜20パーセント、客の多い週末は10〜15パーセントが彼らの取り分になるという。

 こうした「キャッチ商法」こそが、中国系居酒屋の最大の武器であり、特徴でもあるのだ。

歌舞伎町でなければやっていける
キャッチのいない“優良店”

 千葉県柏市にある居酒屋『Y』を訪れると、平日にもかかわらず、かなりのにぎわいを見せていた。夜7時半の段階で、70席程度の8割方が埋まっていた。

 店内には漁師の大漁旗が飾られ、BGMは和太鼓。売りは、築地直送の新鮮な刺し身。いかにも日本的な雰囲気に満ちた店だが、経営者は中国人である。

 上海出身の趙秀偉氏(仮名・52歳)は、90年代初頭に留学生として来日し、その後、日本に住み着いた“新華僑”の一人。さまざまな職を経て、2000年代後半から居酒屋経営に乗り出したのだという。

「2009年に、歌舞伎町に初めて店を出したんだけど、儲かったのは最初の3年間だけだったね。年々競争が激しくなって、思うように利益が出なくなった。で、こっちに来たわけ」(趙氏)

 歌舞伎町時代はキャッチ部隊を雇い、売り上げは現在の2〜3倍あったというが、柏市の店のほうが利益率ははるかに高いという。なぜか。

「なんといっても家賃が安い。また、競争も歌舞伎町ほど激しくない。それと、一番大きいのは、キャッチを使うのをやめたことだね」(同)