生活保護とワープアを行き来する「無間地獄」を就労支援が生む皮肉

 その他の世帯(世帯主が働ける年齢層で、傷病者や障害者ではない世帯)と母子世帯は、「働けるのに働かずに生活保護に甘えている」とされがちだ。しかしデータを見る限り、一年間あたりの就労による生活保護脱却は、「右肩上がり」で毎年増加し続けている。「派遣切り」とリーマンショックの前後(2007年~2009年)に若干の落ち込みが見られる程度だ。

 そうはいっても、その他の世帯の生活保護脱却増加が大きい一方で、母子世帯ではそれほどの増加は見られない。この背景としては、母子世帯の世帯主(主に母親)が障害者または傷病者である可能性が考えられる。母子世帯の世帯主がどのような状況にあっても、生活保護では「障害者世帯」「傷病者世帯」ではなく「母子世帯」と分類する。「障害も病気もない働ける母親のほとんどは、既に、既に充分すぎるほど働いており、にもかかわらず収入が低いため生活保護を脱却できない」というのが実態ではないだろうか。

 いずれにしても、「就労したい」と本人が考え、「就労すべきだ」と周囲も考えている状況下で、就労によって生活保護を脱却できるのであれば、そのこと自体は歓迎すべきなのかもしれない。

 では、その人々は、どのような就労に成功したのだろうか?