もし影響があるととしても、せいぜい海外から得られる配当収入が減少する程度だ。たとえそうなったとしても、日本国内の雇用や設備投資を減らしたり、賃上げを見送ったりといったことにまでは発展しないだろう。したがって、日本の景気には全く影響がないと言っても過言ではない。

 一部のマスコミは、「現地子会社が困っている」などと報道するかもしれないが、一般の日本人は、心配する必要はないのである。

 一方で、もしも在米の日系自動車メーカーが生産を減らしたとして、その一部が日本にある工場での生産に回れば、対米輸出が増えることになる。これは、日本人労働者の雇用にも繋がるからことになるのだから素晴らしいことだ。

 余談だが、マスコミは困った事を報道するのが好きなので、情報の受け手はその分を割り引いて理解する必要がある。例えば、グローバリゼーションで企業が相互進出する際、日本企業が海外に工場を作ると「雇用が流出する」と報道し、外国企業が日本に進出すると「日本経済が外資に乗っ取られる」と報道する。

 そういう意味で、今回の自動車の件も、「日系自動車メーカーが打撃を受けた」とは報じるかもしれないが、「その分の穴埋めをしたのは日本からの対米自動車輸出であり、差し引きして日本の自動車産業は潤った」というのが正しいはず。だが、そうは報じないのである。

諸外国の対米報復措置で
日本製品の輸出が増えると期待

 今回の件が「米中貿易戦争」に発展すれば、中国の対米輸入品にも関税がかかることになるだろう。そうなれば、米国が輸出していた品目の一部が、日本からの輸出品に振り替えられることが期待される。