不況でも超高収益を生み続ける「ダントツ企業」の仕組み写真はイメージです

視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のシニア・エディターである浅羽登志也氏がベンチャー起業やその後の経営者としての経験などからレビューします。

30年経っても生き続ける社訓

 読者の皆さんは、自社の経営理念を言えるだろうか。

 私は30年ほど前にリクルートに新卒で入社したのだが、その当時の同社の社訓が今でも忘れられない。それは「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」というものだ。

 私だけではない。その頃リクルートに在籍していた者は、今でもほぼ例外なくこの言葉が大好きだ。そして久しぶりに会った時には、現在自分がどんなチャレンジをしているかを語り続ける。

 この社訓は創業者の江副浩正氏が作ったものだ。同氏は広告誌事業という新たなビジネスモデルで出版業界を大きく変えた人物である。

 当時のリクルートのマネジャーは全員、この社訓が書かれたプレートを机上に飾っていた。そういった、いわば江副氏のDNAを全社員が共有できる仕組みがあったのだ。そしてリクルートは次々と斬新なビジネスを立ち上げ、成長していった。

 本書『ダントツ企業』では、リクルートのような、きわめて優れた経営の仕組みを持つ優良企業を「ダントツ企業」として、あまり知られていない企業にもスポットを当てている。